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2009年8月20日 (木)

ヴィオリラ

 これを聞いて分かる人がどれくらいいるのでしょうか。「ヴィオリラ」とは楽器の名前で、YAMAHAが発案したものです。

 まず形ですが、大正琴です。それを弓で弾くというもの。ただ大正琴自体はたいした筐体が無いので、弓で弾いても音量がありません。そこでエレキ仕様にして、増幅させたのです。発案がどういう順序だったかは分かりませんが、要するに(YAMAHAの得意な)サイレントの大正琴を作り、それを弓で弾く、という事でしょうかね。確か名前の由来はヴァイオリンと琴を表すリラをくっつけたような事を聞いた覚えがあります。

 「覚えがある」というのは、実はこの楽器が出現して間もない頃、そのPRイベントを手伝った事があるんですよ。もう何年前だったかしら。どういう風に手伝ったかって? もちろん演奏なんですが、ヴィオリラの合奏団とBandoneonで「Libertango」をやったのです。

 このイベント、「ほぅ...!?」と言いたくなるようなものでした。様々なジャンルの有名曲を用意。ちなみにヴィオリラには張る弦によって、Soprano,Alto,Tenorと、音域の違う楽器に変身。更にサイズの違うBassもあるので、理論上は均整の取れた合奏が出来るのです。それも手伝い、更に弓で弾くのみならず、弦を箸(だったかな?)で叩いたり、ヴィオリラで考え得る、あらゆる事をやっていた記憶があります。「Libertango」もその1つでした。

Violyre  そのイベントは、

一般向けでは無く、

業界向けでした。

その後この楽器はどうなったかなと、

時折思い出していたりもしましたが、

最近YAMAHAの店舗でこのチラシを発見。

「おぉ!久しぶり」と当時の事を思い出しました。チラシに載っている講師の大田先生は私と共演した方です。当たり前と言えばそうですが、ベースは大正琴とはいえ、要するに新種の楽器なので、専門家が存在しない訳です。確か大田先生をはじめ、当時イベントでヴィオリラを弾いていた方々は、皆エレクトーン奏者だったような気がします。

 そしてそのイベントのときのキメ台詞「今始めれば、どなたでもパイオニアになれます!」いやはや、確かに。

 しかし定価で10万以上というのがちょっとねぇ。大正琴自体は通販等で1万くらいで買えるので、それを改造すればなんて思うと、う~む...。マルチな私もパイオニアになるのは諦めました。

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コメント

ていほうさんこんばんは。
初めて見ました、不思議な楽器ですね。
思わずどんな音が出るのか調べてみました。
不思議な音ですね。
演奏している姿も、「へぇ~」って感じです。
いろんな楽器がありますね。勉強になります。

マルチなていほうさんでもパイオニアになるのを諦めた楽器があるなんて!いろいろな楽器があるんですね。

素朴な疑問ですが。
箸みたいな棒でヴァイオリンとかの弦を叩くってのはアリなんでしょうか?

....明日ウチのチェロで試してみればいいのか。
箸は...えぇと....このテンプラ揚げ用のサイバシでいいかな...

> こまこさん
 恐らく音楽史の中には、出てきては消えていった楽器がたくさんあると思います。有名なところでは「アルペジョーネ」という楽器。かのシューベルトはこの楽器のために名曲を書きましたが、今では他の楽器で演奏され、本物は博物館にしかないのでは?

> 芝さん
 私の場合、あくまで入手出来る楽器を習得するもの。なのでHarpとかOboe,Fagottoは高価なので、なかなか手が出せませぬ。

> 響酒さん
 現代曲だと何でもアリですね。昔Cello奏者から聞いた話だと、両手で弓を持って弾いたと。当然開放弦しか出ませんが(笑)。

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