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2011年5月26日 (木)

新しい中古楽器!?

 音楽において、20世紀最大の発明と言えば「MIDI」という事に異論をはさむ人はいないでしょう。Musical Instrument Digital Interfaceの略である「MIDI」は、電子楽器の演奏などのデータをやりとりする規格。コイツのおかげで、仕事が減った音楽家は数知れず。音楽制作のコスト・ダウンの功績大で、特にポップス(大衆音楽)の現場では、MIDIのおかげで人間が弾いていない音楽は、山のようにあるのヨ。いわゆる「打ち込み」ってヤツ。

 とまぁ、20世紀の音楽発明の話はともかく、今日の朝日新聞の記事で、MIDIほどではないにしろ、スゴイ発明を知りました。全国発明表彰なるものがあり、最高賞である「恩賜賞」はブルーレイの開発に携わったSONY関係者に。そして「朝日新聞賞」を受賞したのがYAMAHAの関係者。その題材とは「古木化を促進して楽器の音色を改善する方法の発明」。

 どういう事かと言うと、現在の木材にある処理をする事によって、数百年経ったものと同様になるという、新しく作った楽器がいきなり年代モノ!という事になるワケ。

 ちなみに我が社がCarlo giordanoブランドで作っている弦楽器。

Carlgior_newold  年代モノっぽい仕上がりか(写真左)、

新作の仕上がりか(写真右)、

2種類あるのですが、

これは表面上だけのものなので、さすがに音色にまでは影響ありません、ヒトが聞いた限りはね。

 弦楽器など木製の楽器は、科学の発達した現在でも、実は分かっていない部分も多く、寸法も同じく、材質も同じくしても個体差が出ます。尤も、かなり工業製品化した管楽器でもそうなんですがね。

 取り敢えず分かっているのは、古い楽器には、新しく作る楽器には絶対にマネの出来ない良さがあって、かと言って新しい楽器がダメかというと、新作には新作の良さもあります。今回の発明、オールドの名器のような音色が数億、数千万、などではなく、もっと身近な価格で手に入る可能性があるってコト。もちろん製品化には、もっとデータも集めなくてはならないでしょうし、其れを評価するのはプレイヤーや聞き手なので、いくら製作側が「この楽器は17XX年のストラディバリウスと同じくらいの木で作っている!」と言っても、音色が悪けれりゃ価値はありませぬ。

 はぁ、待てよ。ここで1つ疑問。仮にいきなり新作オールド楽器が誕生したとして、巷ではStradivariusやGuarneri、その師匠のAmatiなどの数億クラスの名器は、そろそろ元気のなくなる頃で、次世代が注目されている、などと言われていますが、その新しい中古楽器(変な表現)も、作られて間もないのに、「そろそろなぁ...」なんてコトかしら。

 前述の名器たち、そしてワタシのBandoneonもですが、一体いつまで使えるのか。それも実は分かっていない事の1つ。ある日突然音が出なくなるワケでナシ。また寂れてきた音には、それはそれで味や風情があるもの。

 楽器の寿命を決めるのもプレイヤーや聞き手なのかも知れませぬ。

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コメント

奥が深いお話で思わずうんうんと頷きました。
やっぱり生楽器は色々な味(良くも悪くも)が出て、それも含め向かい合いながら、奏でていく…感慨深いですね。
楽器も共に生きてるってわかります。
だから素敵で好きです、生楽器^^
滅法、触れる機会があまりありませんが…'`

> Natsumiさん
 そう、弦楽器も管楽器も、生楽器を呼ばれるものは生きているんですよね。たとえ樹脂や金属で出来ているものでも、ヒトが(他の動力無しで)操る以上は。
 今回のはその楽器の特性を、人為的に操作出来るようになったというもの。倫理的と言えば大袈裟ですが、少々複雑な思いです。

ずぅ~っと前ですが。似たような技術のオハナシを聞いたことがありました。
出来たてのウイスキーとか焼酎に超音波だか何だかをあてて
数十年経ったような味わいにするって技術。
日本の大手のメーカーが開発したということだったのですが、
こちらの方の技術はその後どうなったのか....?

時間をかけて少しずつ変化していくのを、人工的に短期間で再現するのは
ちょっと難しいんじゃないかな?ってのがその時思った、率直な感想でした。
ある一つのパラメータを追っかけて、そこが狙い通りに変わっても
他の見落としてる部分もちゃんと変わっているのか?
ってのはなかなか調べるの面倒臭そうだし、難しそうだし...

木材のこの技術はそこまで克服できたのかな?だったら、スゴいッス。
でも、そこから先の話は確かに啼鵬さんの仰る通り。
「木の評価」と「楽器の評価」は別物ですよね。
私がどんな高額なチェロをひいたとしても....えぇと.....
たぶん相変わらずなヘロヘロな音しか出せないかと。

そういや楽器って、どっか持ち主に似るのかなぁ。

> 響酒さん
 う~む、書いてから考えました。こういった時空を越えるような発明って、果たして良いのだろうかと。そしてこの発明に限らず、大変なのは「製品化」です。データを集め、製品化して商業ベースにのせるまでには、かなりの年月と費用が必要でしょう。果たしてそこまでする価値があるのか...。

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