2011年最後の作品
私の場合は演奏活動も並行しているので、「作曲家」としてみると寡作家。...って、まぁ言い訳になってしまいますが、古今東西の作曲家は演奏家も兼ねていた人が殆どで、それでたくさんの作品を書いていた人も大勢。もちろん作曲家の真価は作品数の多さではないにしろ、1曲を仕上げる、というエネルギーは大変なものです。なのでチョーたくさん書いているSchubertだって、完成していない作品もたくさんあったりするワケですよ。
そんな私の昨年最後に完成させた作品。昭島市を拠点とするアンサンブル・ヴィルトゥオーゾ吹奏楽団という団体からの委嘱作品で、今年6月に初演するために、先日リハーサルにお邪魔してきました。
昨年、まず彼らの演奏を聞かせて頂きました。
またメンバーと一緒に食事もしたり。
とても端正な音作りをするバンドで、ありがちなやたらBrassをブリブリ言わせたり、勢い(と若さ)に任せてイケイケドンドンという事は全くありませぬ。またヴィルトゥオーゾと名乗っているにも関わらず、テクニックに依存する事もない、非常にバランスのとれたバンド、という印象を受けました。
ところで彼らの演奏会。観客動員が凄く、1000人クラスのホールをいっぱいにするという、一般バンドとしては類をみないもので、例えばコンクール全国大会常連バンドだったりすれば、偵察にくる連中でうまりますが、そんな事でもありませぬ。
宣伝カーのシステムを積み、
当然自治体からの許可を得て、
演奏会近くになると町中を走らせます。そして入場もタダ。だから1000人も動員出来る!
というのは早計で、アマチュアの団体の場合、いくらチラシを配布しようが、ポスターを貼りまくろうが、興味の無い人達にとっては、ただの紙くず。宣伝カーも迷惑なだけ。入場無料ならたくさん来る、というのも間違った考えで、プロの演奏会なら殺到するかも知れませんが、アマチュアの団体は、お金をとろうがタダであろうが、ダメなものはダメです。
動員出来る団体というのは、応援してくれる人や固定ファンが多く、宣伝カーが走れば「あぁ、もうそういう時期かぁ。よっしゃまた行こう」となるもの。
そしてその固定ファンを広げるというのは、並々ならぬ団員の努力があって、それは一朝一夕では出来ないものです。彼らは地域の人々に愛されているバンドであり、それは地域密着型のアマチュア団体としては理想的とも言える姿。
さて話を戻しましょう。そんな彼らがバンドのテーマ曲ともなるような曲を依頼してきました。私はと言うと、委嘱作品を受ける度に「渾身の~」とか思うのですが、あまり気負うと書けるものも書けなくなるので、結局はいつもの「啼鵬節」を。
お名前が私の本名と同じ(字も)。
作曲家と演奏家というのは、
信頼関係がないと成り立たないもので、
彼の端正な音作りには、
初めて聞かせて頂いたときから、私の思い描く世界を具現化してくれる、と直感しました。本番がホント楽しみ。奇しくも私の誕生日の翌日...。
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