アルゼンチンタンゴ同人誌発刊
これまで無かったのが不思議なくらいなのですが、知人の愛好家が中心になって、アルゼンチンタンゴの同人誌が発刊されました。私もページを頂き執筆。「啼鵬タンゴ史」とタイトルして、今まで私が歩んできたタンゴの道筋を紹介。しかしながら、誌面の関係で、書くことが出来たのは1995年頃まで。...って、つまりは大学を出たくらいですよ。
まだ「なおてい」も始めていなければ、
といぼっくすも、TrianguloやOTSもまだ。
ましてやTANGO OGNATや、
A.R.C.などは影も形もないとき(笑)。取り敢えず続きは第2号に書きます、という事でしめましたが、中心になられた方の話だと「年に1回は発行したいですが、これでおしまいかも」...って、そんなぁ。
寄稿された方々を拝見すると、日本タンゴ界の大物評論家先生から、私のようなペーペーまで様々。対談なども含め、40名近くの方が関わっております。
そもそも普段はタンゴ界には全く無縁の私に、何故執筆依頼がきたのかというのも、発行人のご厚意によるものなのですが、案の定私なんぞは最年少クラス。対談でBandoneon奏者の仁詩氏(何と20代!)がいるくらいで、私のすぐ上の方でもどうなのか...。
実は大岩祥浩先生のお別れ会に行ったときにもそうだったのですが(2010年2月22日参照)、そのときも私が飛び抜けて最年少。昔ラジオでTangoの番組解説で、「日本のタンゴ・ファンは3万人ほど」と言っているのを聞いた事があります。これはとても少ない数で、ちなみに私が芸大附属高校に入学したときには、「日本におけるクラシック音楽愛好家は、60万人」と教頭先生に言われ、「この危機をどうする!」と一喝されたものです。もちろん演奏会は愛好家しか聞きに来ないわけではないのですがね。
極端な言い方をすると、先ほどのタンゴ・ファン、仮に3万人としましょう。この中で私のTangoのライブにいらっしゃる方は、恐らく10人にも満たず、時折会うそういった人達には「私はインターネットをやってないんで、テーホーさんが普段何をしているか、全然知らないんですよ」と言われる事もしばしば。まぁ、「てっぱん」で私の名を見たとしても、イコールBandoneon奏者でTangoもやる人などとは想像もつかないでしょうな。
タンゴ・ファンはどんどん高齢化していくのは成り行きで、かと言って20年後の60~70代の方々がTangoを聞くかというのも甚だ疑問。つまり20年後の60~70代というのは、今の私のちょっと上の世代。今聞いていなければ、20年後にというのもムズカシイ。Tangoにはノスタルジーがあって、取り分け日本人はその哀愁を好むので、もしかすると何かのきっかけでファンが増えるかも知れませんがね。
同人誌の文面でも触れたのですが、私の役割というのは、TrianguloやA.R.C.、TANGO OGNATのようなタンゴ専門のユニットから、なおてい、OTSのようなインスト、オールラウンドのユニット等で、普段「ラ・クンパルシータ」や「エル・チョクロ」を聞いていない、(タンゴ・マニアではない)普通の音楽ファンの方に、Tangoの魅力、そのTangoでしか使われていないBandoneonの可能性を知ってもらうのが信条。また弦楽合奏団弓組のようなアンサンブル、吹奏楽のような、グローバルな編成でのアプローチも大事で、取り分け吹奏楽との共演は毎年行っています。まぁ、大海に落とす一滴のようなもんですが、少しでも良い音楽が皆さんに提供出来ればね。
この同人誌、思い出話を語る場にとどまらず、何とか新規のファン開拓につながれば良いのですが。
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トリアングロファンとしては、この本がどうしたら手に入るのか気になる所です(笑)
投稿: 雅代 | 2012年3月15日 (木) 06時26分
> 雅代さん
実はこの本、非売品なのです。せっかくなので、一般の方にも読んで頂けるようになればよいのですが。
投稿: ていほう | 2012年3月15日 (木) 11時16分