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2012年4月10日 (火)

追悼:青野武さん

 1週間も経たないうちに、また追悼の記事です。

 青野武さんと言えば、日本声優界の重鎮。大変なキャリアの持ち主で、代表作は?なんて事を書くのもあまり意味がないくらいの方です。訃報では「ちびまる子」ちゃんの友蔵役として紹介されていますが、同じ人が「宇宙戦艦ヤマト」の真田志郎だと聞いて「え!そうなの?」と思った人もいるかと。

 カンフー映画ヲタクのテーホーにとっては、やはり霊幻道士の林正英(ラム・チェンイン)の吹き替えです。そう、映画からアニメから、ホント仕事の多かった方で、画面を見ていても、青野さんの声はすぐに分かりました。近年はご病気をされ、「ちびまる子ちゃん」もそうですが、レギュラーや定番の吹き替えは代役の方がされていました。

 ところでワタシ、洋画や海外ドラマは、「原語が分からない場合」という事が前提ですが、絶対に吹き替え派で、せっかくの映像作品を観るに、文字を読む、という作業をする事ほど、もどかしい事はありませぬ。

 まぁ、ご本人の声が聞きたいだとか、演技を直接感じたいだの仰る方もおられましょう。声が聞きたいのはともかく、演技を~というのはビミョー。結局言っている事が分からず、その部分は字幕を読む。しかもたいていの場合は、役者さんが台詞を言い終わる前に、読み終わっている事が多く、そういうのを「演技を感じる」と言っても良いのかと。また声を聞くというのも、Kevin Costnerのように、明らかに吹き替えの津嘉山正種さんの声の方がカッチョイー場合もあるワケで、ファン以外だとどうだか。

 それと前述の逆で、台詞が多過ぎる場合、読み終わる前に次の字幕が、なんて事もありまする。例えば「ラッシュアワー」のChris Tucker。彼の早口をいちいち字幕で読むなんぞは、かえって馬鹿馬鹿しい。熟練した吹き替えの人の早口で、面白おかしくやってもらった方が、かえって作品の本質をついているというもの。

 そうそう、大事な事ですが、吹き替えも字幕も、原語の意訳をしている部分があるという事もお忘れ無く。字幕もですよ。

Fukikaejiten_2 青野武さんの訃報から、

吹き替えの話になりましたが、

そんな吹き替えマニア必携の本がコレ。

少々情報が古いのですが、

テーホーの愛読書の1つでございます。

しかもまずといぼっくすの木ノ脇道元さんが貸してくれてハマり、自分でも買った次第。「吹き替えなんて不自然で観られない」なんて思っている人は、この本を読むと、いかに日本の吹き替えがスゴいかというのを思い知らされるかも。

 役者さん、アニメのキャラクター等、それらに付ける声優さんを、どうやって決めているのかは知りませんが、ホント特徴をつかんでいるなぁ、と納得させられるものが多く、時々アイドルやタレントさんで「声優に初挑戦!」てな事で、転ぶ事もありますが、吹き替えマニアのテーホーが観た中では、失敗作は殆ど見受けられませぬ。尤も映像ありきなので、どうも照明の当たり方が不自然に思ってしまう韓流ドラマの吹き替えは、全く以て不自然に感じますがね。

 秀逸なところでは刑事物が多く、Jeremy Brett演じたシャーロック・ホームズの露口茂、David Suchet演じるエルキュール・ポワロの熊倉一雄、Peter Falk演じる刑事コロンボの小池朝雄/石田太郎、そして最近テーホーがハマって観ていた、Tony Shalhoubの名探偵モンク。この吹き替えの角野卓造さんがまた圧巻。これらは全て、映像の中の役者さんと、吹き替えの声優さんと、その両方がいなければ、日本では成り立ちませぬ。

 青野さんの刑事モノでは、やはり「刑事ナッシュ・ブリッジス」のジョー・ドミンゲスかな。聞けばイッパツで青野さんと分かる声、と言うことは固定イメージもつきそうですが、役の幅が広く、ワタシのように音楽だけとは言え、多ジャンルに渡って仕事をしている人間にとっては、鏡のような存在。「特徴があり、且つ色々こなせる」は、マルチを標榜するテーホーの理想の形でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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コメント

やはり男性にとっては「宇宙戦艦ヤマト」の…っていうイメージが強いですよね。
女性だと真っ先に浮かぶのはTDLのウエスタンリバー鉄道のナレーションかなぁ、友蔵爺以外だったら。

それにしても…
リアルタイムで知ってる方の訃報が増える今日この頃、それだけ私も歳をとってるということなんでしょうね。
ご冥福をお祈りいたします。

なんといってもジョー・ドミンゲスですな。

真田さん!
タイトルを見た瞬間そう思いました。
古代進との最後の別れのシーン覚えています。

友蔵は知らなかったので、驚きました。

まだまだなさりたいお仕事があった事でしょう。残念です。

Jeremy Brett演じたシャーロック・ホームズの露口茂
いやはや、懐かしいぃ
NHKの放送で初めて見たのは小学生のときでした。大人になってDVDでJeremy Brettご本人の声を聞いたときは衝撃でしたねぇ。あまりにも早口で勢いのある口調で、これはホームズではない!と感じました。露口さんの方が絶対にイイです!上品な口調なのに冷徹さすら感じさせていましたね。ホームズの明晰な頭脳まで声から伝わってくるようでした。っと、すみません、本気でハマっていたので長くなりました
フッとワトソンを鼻で笑うところの鼻息まで大好きでしたよ

> 組長さん
 まぁ、この手の話題は、やはり世代によって随分変わってきます。「宇宙戦艦ヤマト」を知らない世代にとっては、また青野さんの声は別な印象かと。何しろ吹き込みの多い方ですからね。

> ゴルゴさん
 そして青野さんを見た事がないと、まるで彼の顔がジョー役のCheech Marinに思えてくるのが凄いところだ。

> SSさん
 その古代進役の富山敬さんも亡くなって久しいです。実は富山敬さんも大好きな声優さんでした。銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーとかね。

> kaori☆さん
 正にそこです。吹き替えはもはや文化です。露口さんのホームズは、Jeremy Berettを更にホームズに近づけた感があります。相棒ワトソンの長門裕之さんも良かったです。
 相棒と言えばポワロの相棒、ヘイスティングス大尉の富山敬さんも素敵でした。
 ちなみに減滅と言えば「大草原の小さな家」で、メアリー本人の声を聞いたときは、あの低さにかなり...。

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