タンゴの世界、ゴトウの世界
先日日帰りで福岡を往復したのは、これのリハーサルのためでした(2013年11月8日参照)。
彼とは幻の音楽祭、
ホースピア音楽祭で初めてお会いしました。
その後、
imageに対抗したコンピレーション・アルバム、
HEAL UP! MONSOONのイベントでご一緒しましたが、つまりはそれ以外、接点が無かったのですよ。もちろん一方的にはよぉく知っていて、何しろ弟の師匠、故田中千香士先生をして「すげぇヤツだよ」と言わしめた逸材。アタシが先生の口から聞いた門下生の中では、ずば抜けて評価されていました。
滅多にない機会。
お誘いを受けてから、
とても楽しみにしてきました。果たしてその共演は...!?
いやぁ、噂には聞いていたし、想像もしていましたが、もちろん世代の違いはあれ、テーホーなんぞ足もとにも及ばない、スゴイ世界を繰り広げられ、その末席に加えて頂けただけでも四十年の人生、生きた甲斐があったというもの。
後藤さんの出発点は、「これでいいのか!」という疑問、反骨心、アンチテーゼであり、取り分け日本人にありがちは「皆さんがやってますから」的な部分へのシュプレヒコールです。その上Violinはチョー上手いし、MCがまたこれ...。「タンゴの刑に処す」なんて思い出しただけでもおかしくてたまりませぬ。
福岡ではこのクラスの小ホールが、
あまり無いらしく、
唯一と言ってよいほど、デキたホールとの事。なるほど、室内楽やソロ・コンサートにはもってこいのホールでした。
何より今回驚いたのは、我々の五重奏団、Guitarは元々アンプをつながなければならないタイプでしたが、それ以外の楽器は生音で恐ろしくバランスが良かったこと。おおよそTangoでは考えられない事です。もちろんそれはViolin,Contrabassのプレイヤーの腕に因る所もありますが、このホールがそれらの音をクリアに客席に届け、且つPiano,Bandoneonといった、元々音のデカい楽器がバランスを取りやすい環境なのです。更に電気を通したGuitarとも融合し、理想的なスペースでの演奏が出来ました。
後藤さんも仰っていましたが、このホールのレジデンスになりたいくらいだと。確かにこのホールは、それくらいの魅力があります。Guitarの田口悌治さんも、Classic Guitarでのソロ・コンサートをしたそうで、とても良かったと。
まぁ、今回はゴトウ・ワールドについていくのが精一杯でしたが、もし次回のチャンスを与えて下さるならば、テーホーの色が少しでも出せるように。ま、アタシも業界では変わったヒトのように言われていますが、後藤龍伸さんの前に出たら、テーホーの個性なんぞ、「個性が聞いて呆れるわ」ってなくらい。
そう言えば、最近はこういうタイプの演奏家、見なくなりましたねぇ。しかし「昔はそんなのばっかりだったわよ。古澤クンとか」と、某著名な音楽家の方が言っておられました...。
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コメント
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おお!後藤先生じゃないですか!
飯田で、毎年やっている音楽祭は、名古屋フィルをお招きするのですが、そのコンマスの一人が後藤先生です。
なかなか厳しいコトを話されますが、その教え方はウチの妻曰く、本当に面白いとのこと。でも、教え方の上手さが判る人なら、きっと喰らいつきたくなるタイプなんでしょう。
私が聞いた中でも名言なのは、学生や一般のアマチュア相手に指導して「うん、悪くはない。良くもない。」音大候補生とかでなく、学校のクラブ活動の生徒に対してもこの発言。
来年の5月は、後藤先生が指導者として来飯の予定。今から楽しみです。
投稿: 語る会 | 2013年12月16日 (月) 12時32分
> 語る会さん
私が危惧するのは、後藤先生クラスになると、レッスンを受ける側も相応の実力、理解力がないと、対応出来ないと思うんですよ。よくよく考えさせられる授業になるかと。
投稿: ていほう | 2013年12月19日 (木) 00時02分