最後の秘境東京藝大
昨年最も話題をさらった本の1つだったかと。著者の奥様が現役芸大生という事で、書かれたようですが、OBのテーホーも気になって仕方がない。早速書店へ。しかし売り切れ、また売り切れ。ようやく手に入れましたが、ちなみにそれは既に第8刷。
ま、仕方がないですわね。
アタシが在籍したのは、
もう20年以上も前のハナシ。
そのときと今では、
そもそも時代も違う。
当時には無かった学科、専攻が出来たり、携帯電話を持っていた学生なんて、うちの同期ではNAOTO君しかいなかったし、そもそもビンボーだから学費の安い(当時の)国立大学に来たし。
そのビンボー話。本の中に「月の仕送りが50万」という記述が! おいおい、そんなにお金あるんだったら、私学行きなよって感じですが、いや、私学だってそんなに仕送りしてもらっている学生いるかネ?
演奏するときの衣装を買ったり、(仕事をもらうための)パーティーに出たりする費用なんだと。そんな学生うちらの頃、見た事無い! それも時代か...。ちなみにパーティーに出ただけじゃ、仕事もらえませんケド。
そうねぇ、「50万だった月もある」なら分かります。啼鵬の時代、国立大学の学費が年間36万。して、何故かコイツを現金で支払わなくてはならず、アタシも心配性の親に「腹巻きに仕込んでいけ」と言われ、教務係に支払いに行きました。
巻末には「取材した学生は、ほんの一部であり、限られた人」と断っているので、ツッコミもしにくくなるのですが、この本は何も芸大だから、という事ではなく、音大、美大の一般的な様子が描かれている部分もありそうなので、本当の意味での「東京藝大」をもっと裸にして欲しかったな、というのが啼鵬の感想。つまり、芸大以外の音大、美大との比較ね。
最後に。芸大では音楽学部を「音校」、美術学部を「美校」と呼ぶのですが、この理由については全く触れていない。恐らく取材した学生も知らないんだろうな。平成の子だし。これは芸大の前身である東京音楽学校と東京美術学校の名残です。それくらいはちゃんと書いてよ。
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