巨人の4番トロンボーン
通常の管弦楽曲にはTromboneは3パートで3人。これにTubaを加えて1つのセクションとなっております。よく吹奏楽では何人ものTromboneを見かけたりもしますが、それらも基本的には3パートしかなく、其れを何人もで(仲良く)吹いているにすぎませぬ。
かつて啼鵬が書いた管弦楽曲で、Tromboneを4パート書いた事がありましたが、それは「せっかく4人いるので...」と言われたので書いたまで。そういう特殊な事情でもなければ、4パート以上書く事は無く、これはクラシック音楽の「交響曲」とか「管弦楽」というジャンルの伝統か。
もちろん例外はあるのですが、その1つが今回、土浦交響楽団が演奏した例の「巨人」(2018年6月3日参照)。
「4.Pos.」と書いてありますが、
Mahlerは楽器名や楽語をドイツ語で書くので、
「Trombone(英語)」は「Posaune」となっております。その略。
してその役割ですが、この曲、小一時間かかる中で、4番トロンボーンはたった数分。小節数にして51小節。4楽章は731小節あって、その中で1割にも満たない数。もっと言えば曲全体で1707小節中51小節。指揮者のテンポにもよりますが、曲が始まって50分以上待って、ようやく最後の数分を一緒に吹く!
尤もこの4番トロンボーンは、作曲者が「場合によっては、トランペット1本とトロンボーン1本を加えてもよい」としているパート。其れはHornが立ち上がって吹く部分の補強です。なので無くても良い、というかHornのみで大音量が出せるのであれば、いらないパート。写真に見える「*」はその注釈が書いてありまする。
今回の土響は4番トロンボーンは加えました。5番トランペットは入れませんでしたが。待っているの大変だっただろうなぁ。Beethonveの「第九」みたいに、終楽章の始まる前に合唱団がゾロゾロ入ってくるのではなく、曲の最初から居るのですから。お客さんに観られながら。お疲れ様でした。
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