残された鍵盤
完全招待制だったので、半ばおさらい会のような感じになった、サックス日和の演奏会(2021年5月16日参照)。ここで弾かせて頂いたPiano。
YAMAHA C7。これまでにも何度も弾いた事のある楽器です。この会場のサイズだと、7は妥当なところでしょうか。最後に調律をしてから少々経っているようでしたが、あまり問題にはなりませんでした。もしやコロナ禍で演奏会もあまり開催されなかったのかも知れませぬ。
この楽器は然るべき方からの寄贈品だそうで、恐らくそのときにオーバーホールしたのでしょうか。
鍵盤が交換されていました。しかし高音の数音だけ、オリジナル素材が残されていて、そこだけ色が違います。そう、象牙だったそうで。
よく部分的な部品交換だと、「ここだけ色が変わるのも変ですから、全部交換しましょう」と、かえって高く付くこともしばしば。これはそういう事ではなく、この楽器の歴史を見える形で残したのでは?
これからも多くの方に弾き継いでいかれる事でしょう。
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残された鍵盤、時を経たピアノへのリスペクトが感じられて心温まる話です。歴史へのリスペクトといえば、ちょうどINDY500の時期で、思い出した事例があります。レースコースに一部残る100年前のレンガ敷き。「ブリックヤード」と呼ばれるこの部分はSTART&FINISHラインに使われ、優勝者はここにキスをし、インディアナポリス・モーター・スピードウェイの愛称にもなっているそうです。分野が違っても、古いモノへの敬愛では同じですね。そのピアノにも愛称を付けてあげたら良いと思います。
投稿: エルカルテート2021 | 2021年5月29日 (土) 22時21分
> エルカルテート2021さん
素敵な話ですね。ある意味、我々が古い曲を演奏するのも、似たような意味かも知れません。先人の偉業を伝える、その時代を反映した曲を現代に蘇らせる。一口に演奏と言っても、様々な役割がありますね。
投稿: ていほう | 2021年5月30日 (日) 00時00分