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2023年1月 8日 (日)

遅れてきたレコ発

 新年早々、もの凄いライブを聴かせて頂きました。

Tripodi4 昨年ご一緒させて頂いた(2022年11月25日参照)Bandoneon奏者、清川宏樹氏のライブ。「Orlando Tripodiへのオマージュ」と題して、Tripodiが残したアルバムの再現。

 それも実のところ、かなりマニアックなアルバム。啼鵬はその存在すら知りませんでした。Tripodiと言えば、民音のタンゴ・ツアーでも何度か来日していますので、日本でもお馴染みのアーティストですが、1974年に発表したというそのアルバム、Piano,Bandoneon,Guitar & Contrabassという、類をみない四重奏。

 ドクトル清川氏曰く、半世紀近く経ってレコ発をしたと。いや「レコ発をやってあげた」が正解っしょ! 残念ながら本家を聴いていないので、どこまで再現しているかを語る資格はありませんが、それでも演奏のクォリティを考えれば、かなりの精度で再現しているかと。

 ただ個人的にはそのアルバムの再現よりも、ドクトル清川氏の編曲した「Oblivion」に注目。前回は氏のBandoneon奏者としての側面しか触れる事がなかったので、今回彼の編曲から世界観を垣間見た気がしました。

 更に喜ばしい事は、恐らくお友達が多かったのでしょうけど、お客さんの年齢層が明らかに若い! これはとても重要な事で、演奏家は若手が育ってきましたが、聴衆の世代交代はなかなか進まず。今回のようにTangoを知っているとか、詳しいとか、そういう事ではなく音楽を、そしてドクトル清川ワールドを聴きたい、というオーディエンスが集まるコトが大事。

 あぁ、なんか日本Tango界の未来を感じたような気分。優秀な演奏家、スゴいライブ、そして受け入れる聴衆。素晴らしい。

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コメント

こんばんわ! そのように素晴らしい演奏会、聴きたかったです。‘音源から採譜を行って譜面を作っている’ なんて凄いことですね♬
そして演奏家と聴衆が一体化できたのですネ👏

私が、昨年のライブで、1番聴かせてもらったジャンルはタンゴかな…
今年は邦楽からとなりそうですが、バンドネオンをはじめ色々な楽器に注目して、さまざまなコラボレーションに拍手をおくることのできる一年にしたいと思っています\⁠(⁠^⁠o⁠^⁠)⁠/

> おみたんさん
 いつも有り難うございます。今年もたくさんTangoを聴いて堪能して欲しいです。私も県内での活動も頑張ります!

私も新年早々、何だかスゴいモノを聴いてしまった一人です。
観客視点でいうと、あの水戸奏楽堂が超マニアックなタンゴで満席になること自体、既に事件。さらに感心したのは、マニアックながらコンセプトが大変分かりやすく、思わず聴きたくなる魅力にあふれていた点です。清川さんはその辺のセンスが秀逸で、この日の客席は初めて聴くスリリングなタンゴに終始盛り上がっていました。
演奏家は今までファン(平均年齢高し)に忖度して、マニアックな世界を避け過ぎていたのでは、と思えるほど。
気が付けば、観客側も単に「タンゴ曲を聴く」から、音楽家の人生や編曲を楽しむ世界に引き込まれていました。今回は、タンゴ演奏会の新しい切り口が示された画期的なライブだったと思います。確かに、今後が楽しみな年明けでした。

余談ですが、最前列でオールド・ニューヨーク・スタインウェイD型も堪能できました。製造後100年超の圧倒的存在感は、もはや楽器を超えて「文化遺産」の風格。これも新年の眼福、いや聴福。

> EQ.2021さん
 おぉ、聴かれましたか。歴史の生き証人となった訳ですね。正に仰る通りの画期的なライブです。そもそも発想が素晴らしいです。今後のドクトル清川氏から目が離せません。
 ところでN.Y.Steinway。アタシがピアニストとしてその会場に赴く事は、極めて可能性は低いので、弾く機会はまず無いかと思いますが、まずは聴いてみたいのです。

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