蛇の道は蛇なんで、当然お名前は存じ上げておりました。して、数年前よりつながりが出来て、今回も編曲を提供。
Bandoneon奏者、生水敬一朗氏率いるトリオ「Tres Patatas」。3つのジャガイモだそうな。この生水氏、Bandoneon奏者はタダでさえ珍しいのに、更に輪を掛けて珍しいClassicのBandoneon奏者。今ではBandoneon=Tangoとかイメージがついていますが、一応開発当初は携帯用オルガンなんで、本来のあるべき姿でしょうか。
もうClassicなんで、テクニック的にはかなり高度な事が要求されまする。今回も冒頭からコンテンポラリーな曲から。そのベル・トーンを主とした曲想から紡ぎ出される響きたるや、なんと色彩豊かな。
また共演したSaxophone奏者には度肝を抜かれました。当たり前と言えばそうなのですが、その音色、最初の音だけで「ん?違う、どこかで聴いたこの音色」と、あっと言う間に引き込まれました。それもそのはず、プロフィールをよくよく見たら、師事した先生の中には雲井雅人先生の名が。そうだ、雲井サウンドだ。私が須川展也氏と共演し始めて間もない頃、浜松で聴いて衝撃を受けた音色でした。
今回のプログラムで啼鵬の他にスコアを提供している木田浩卓氏。彼の世界も堪能。もはや楽器を熟知している、というレベルを超え、彼ら3人を知っているという理想的なスコアリング。ご自身はBassを弾かれるそうですが、曲によってその世界観はシンフォニックであり、同業者としては怖さすら感じましたわ。
石川県を拠点しているTres Patatas。こんな状況下、遠方までお越し下さり、有り難うございました。素晴らしい演奏会でした。
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