シリーズ楽興の時 I:シューベルト《冬の旅》Op.89
思えば名曲「冬の旅」をちゃんと聴いた事はありませなんだ。歌では。そう、歌でなければBaritone Saxophoneで。栃尾克樹さんの名盤があって、Pianoは高橋悠治さん。アタシのラジオ番組「限りなく啼鵬の音楽全集」でも取り上げました。
今回は本家。歌われたのは鈴木優さん。啼鵬も随分前からお名前は。何しろ地元では有名人なので。
鈴木さんも正直に仰っていましたが、Hermann PreyやFischer-Dieskauを聴いても寝てしまったと。三十路に入ってドイツに留学され、ドイツ語の中で生活されて、ようやく取り組む気になり、博士論文は「冬の旅」で。
まぁ、声楽博士ですらそうなのですから、ドイツ語が全く分からないテーホーが理解出来るワケがない。声楽曲の本質的な部分はね。聴きながら訳を眺めるとか、そういうもんでも無いでしょ。
それでも会場はデッドなノバ小ホールだったので、かえって鈴木さんの歌声が、まるで我々に話しかけるような雰囲気で伝わってきました。残響の良いホールとは全く別な味わい。
今回のトピックスとしては、鈴木さんのレクチャー。山ほどあるSchubertの歌曲の、有名曲をほんのチョットしか知らないような啼鵬にも分かりやすく、本質的な部分を解説して下さいました。これは我々Tango屋がPiazzollaを知ったかぶりして語るのとは次元の違う話し。何しろ博士ですので。なんなら講義を受けたいくらいですわ。
作曲家として「冬の旅」を考えたときに、歌曲としての魅力はもちろん、器楽で奏したときにも、単に美しい旋律だとか、よく出来た曲だとか、そういう部分を超越している領域があって、奏した楽器特有の部分を出しつつも、明らかに「冬の旅」の大事な部分を伝えている。なので、ドイツ語の分からない啼鵬でも、栃尾さんと高橋悠治さんの演奏で、その魅力を知る事が出来るのだと。んま、それは御二方が「楽器演奏家」という範疇を越えてるからなんですが。
「冬の旅」、次に聴くときはどなたの歌か、器楽か。
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