プラットフォーム#01-始動-
プレ・コンサートを聴かせてもらったのが年明け早々(2025年1月29日参照)。そのときから、どんな演奏会になるのか、とても楽しみでした。編成も大きくなると言うし。
その期待を裏切らない、素晴らしいコンサートでした。最もやってくれたのは1曲目、中嶋達郎氏の「Pre-」。
開演時間には余裕をもって到着。席に着くと今回は珍しく、アメリカン・スタイルのステージ。つまり開演前に既に舞台に演奏家がいて、指慣らしやら口慣らし(!?)といったウォーミングアップの音出しをしてるのですが、実はコレ、既に演奏が始まっている状態。もっと言えば客席で雑談をしている我々までもが、その曲の一部に。
しばらくするとBass Drumも手慣らし(!?)を始めるのですが、そもそも打楽器って、そんなにウォーミングアップするんかい?と思っていると、実はちゃんと叩いていて、それが合図なのか、指揮者も振り始めて実際の演奏も始まる。実に巧妙な切り口で演奏会自体も始まるんですが、それでもまだ楽器はフツーには鳴らさず、まるでそれまでの客席の様子を再現しているかのよう。
メイン・ディッシュとしてはやはりLigetiの「Piano Concerto」ですか。主宰者の田中翔一朗君がソリストを。この曲、昨年聴いているのですが(2024年6月28日参照)、通常のClassicの演奏会ではまずやらない曲を、生きている間に2度も生演奏が聴けるなど、貴重な体験。前回との違いを楽しめました。今回はホールとしてはデッドな旧東京音楽学校奏楽堂。それがかえって演奏者達のキレッキレのアンサンブルがダイレクトに伝わり、Pianoとオケの配置は少々難があったものの、それを凌駕する素晴らしい演奏に。
今回の演奏会で最も啼鵬の心に響いたのは、各曲のクォリティもさることながら、「現代音楽」の裾野を広げようとするスタンス。実際に観客には小学生らしき子どもも目立ったのですが、満席の奏楽堂。てっきり関係者メインかと思いきや、いわゆる現代音楽初心者向けの説明も。プログラムにもはっきり明記されてあって、それはまるで聴き方講座!?
其れを考えたときに、例えば音楽鑑賞教室の仕事で、安易に分かりやすい有名曲ばかりを演奏するのが、果たして本当に音楽の魅力を伝えているのか?と。同様の事は、二刀流の才人稗田隼人君も言っていました。我々のような立場の者が勝手に決めつけ、押しつけるプログラムは、様々なものを吸収する子どもに対して、可能性を狭くしてはいないか?
今回の演奏会はそういった音楽芸術の根本的な部分も考えさせられる、とても意義のあるものでした。ちなみに幕開けの合図(!?)のBass Drumを叩いたのは、これまたたくみスタジオ門下の優等生、打楽器奏者の安藤巴君。あの素晴らしいリサイタルも記憶に新しい(2024年5月16日参照)。
次回の期待が膨らむ一方、こうして生徒達の活躍をみるにつけ、啼鵬どうしたもんかと。頑張らにゃ。
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田舎に住んでいると、ありきたりなプログラムが多いのは事実です。
だからといって、あまりマニアックなプログラムじゃ客が寄り付かない。
この辺のバランスは本当に難しいところです。
かつて所属していた(いや本当は休職中のはずだが…)音楽祭のスタッフでも、曲目選考には本当に悩みました。でも、楽しかったですがね。
当時だと時期尚早なんて没にされていたのに、今年はやってるじゃん!なんてことも多々あります。
流行があまりない世界だけに、本来はお客様のアンケートとかをちゃんと分析して、何を聴きたいのかを考えないといけないとつくづく感じます。(でも、お客様のアンケートはかなりめちゃくちゃな曲目が多いのも事実ですがね。)
投稿: 語る会 | 2025年8月18日 (月) 09時29分
> 語る会さん
私の経験からすると、なるべく多くの集客のために、あれもこれもとプログラムを組むと、大抵失敗しました。ターゲットは大事です。
田舎にも関わらず、マニアックなプログラムでの集客に成功しているのが、時折このBlogにも記事にしている、つくばサロンコンサートですね。固定ファンがいる企画は強いです。
投稿: ていほう | 2025年8月18日 (月) 21時46分
いやいや音楽専用ホールがある段階で田舎ではないですよ。
しかも秋葉原と直通の鉄道も通っていますし…。
待てよ。我が地元も、あと何年だかしたら、品川と40分程度で結ばれるから、田舎じゃなくなるのか!?
しかも現状の文化会館も建て替えを検討中だし。
ただ、それでもメセナ活動がしっかりしないと、ハコだけあっても、無意味になりかねないから、強力なパトロンが必要かもしれませんがね。
投稿: 語る会 | 2025年8月19日 (火) 09時23分
> 語る会さん
箱物行政とは言ったものですが、逆に今は地方の方が、チョーいいホールがあったりしますからね。ナニをやっているかは別として。
つくばは昔、陸の孤島とされたが故に、市民団体が著名な音楽家を呼んで公演をしていたという歴史があります。今はなくなりました。都心へのアクセス向上もその理由の1つです。
投稿: ていほう | 2025年8月19日 (火) 10時07分