またスゴい演奏会を聴いてきました。今や日本を代表するSaxophone奏者上野耕平氏率いるThe Rev Saxophone Quartet。今回アタシが30年程前に書いたPiazzolla作品の編曲を演奏して下さるとのことで。
思えばそれらの作品、上野氏のお師匠さん、須川展也先生に依頼されて書いたもの。先生は日本におけるPiazzolla黎明期から積極的に取り上げ、Saxophone及び吹奏楽の世界では、ピアソラ第一人者とも言えるでしょう。
其れをお弟子さんが受け継ぎ演奏する。素晴らしい事ですが、啼鵬が今回の演奏会で度肝を抜かれたのは、共演されたPiano奏者、高橋優介氏によるPiazzolla作品の編曲と演奏。
オリジナル、つまりPiazzolla自身の演奏をよく分析、勉強されて、Tangoの奏法を習得。我々Tango屋が聴けばプッと吹き出してしまうような、なんちゃってピアソラがはびこる中、ここまで真髄に迫る演奏に巡り会えるのも珍しいかと。
具体的に言えば彼の左手のタッチ。あれはTangoの世界では必須。楽団が何人編成になろうとも、サウンドをリードしているのはピアニストの左手。久しぶりにTango屋以外のピアニストで、ずっしりとくるタッチを聴き申した。glissandoのバリエーションもイイ。そして何よりアンサンブル・ピアニストとしてのキャリアを重ねているだけあって、バランス感覚が秀逸。
あと2、3タンゴ独特の奏法を覚えれば、立派なタンゴ・ピアニストなんですが、そんな狭い枠に押し込めてはいけませんな。
奏法やエッセンスを身につけているならば、編曲は言うに及ばず。タンゴ専門の編曲者でないスコアラーで、Piazzollaの世界をSaxophoneという、元々Tangoには無い楽器で構築出来るのは、なかなか出来る事ではありませぬ。Vive! Saxophone Quartetの浅利真君以来かな。尤も彼はSax奏者ですが。
Revのサウンドは浜離宮朝日ホールの空間に溶け込み、それはそれは夢のような空間でした。上野氏の消え入るようなppでのflagioletto。もしかすると今日聴いた最高音、初めて聴いたかも。あそこまで出せるんだ...。
大昔に書いた啼鵬の拙いスコア。演奏して下さり有り難うございました。そしてご来場下さったお客様、有り難うございました。
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