2024年9月 8日 (日)

氷上のONE PIECE

 ついに観てきました。制作発表のときから話題沸騰。人気漫画を原作としたアイスショー。

Img_20240908_190034987_hdr まぁ、再演なので「今更?」と言われそうですが、もし初演のときだったら、チケット取れなかったんじゃないかねぇ。また当時の評判としては、原作ファンも納得の素晴らしいショーだったと。

 確かに噂に違わぬ凄いショーでした。実のところ原作漫画を読んだ事が無いので、今回の話も前後関係は分かりませなんだ。1話完結でもないのですが、このショーの切り取られた部分だけでも、十分楽しめました。

Img_20240908_190812472 ちなみにテーホー、個人的にはゾロを演じた田中刑事さんが好きで、その長身から繰り出すダイナミックな演技に魅了されたものです。今回も直に観る事が出来て嬉しかったですね。

2024年8月12日 (月)

尾尻雅弘&角圭司ギターコンサート

 A.R.C.でご一緒させて頂いているギタリスト、角圭司さんの演奏会に行ってきました。今回はお師匠さんの尾尻雅弘さんとのDuo。

Sumiojiri2024 場所は勝手知ったる(!?)牛久市のエスカードホールだったのですが、Guitarを生音で演奏するに、ちょうど良いサイズだという事を、改めて知りました。箱鳴りするClassic Guitar独特の響きが、割と後ろの方に座っていたアタシのところまで、よく伝わってきましたねぇ。

 曲目もGuitarのオリジナル曲から編曲モノまで幅広く、またそれぞれのSoloも聴けました。個人的には尾尻さんが編曲した「Libertango」がなかなか興味深く、取り分け冒頭の現代音楽的なアプローチは面白かったですね。

 素晴らしい演奏を有り難うございました。そう言えばA.R.C.もご無沙汰。こちらも頑張らなくては!

2024年6月28日 (金)

アンサンブル・ノマド第81回定期演奏会

 かつてのたくみスタジオ門下生、と書くのもおこがましいくらいの大物になってしまった、ピアニストで作曲家の田中翔一朗君。彼が出演する演奏会に行って参りやした。

Nomado81 このアンサンブル・ノマド。言ってみれば現代音楽専門集団。実はといぼっくすでご一緒しているFluteの木ノ脇道元さんも所属。いつかは聴いてみたいと思っていたのですが、なかなか機会を得ず。ちなみに指揮者の佐藤紀雄氏とは大分古い付き合い。親父の代からなんで。

 今回翔君が弾く曲は、Gyorgy Ligetiの「Piano Concerto」。難曲です。演奏頻度もチョー少ないです。恐らく啼鵬、一生のうちで生演奏を聴く機会、今回だけだと思います。んなもんで、自身の番組FM-UU「限りなく啼鵬の音楽全集」でも取り上げたり。

 翔君と言えば2年前、人気企画「B→C」に出演したときにも聴きに行きました(2022年6月14日参照)。そう言えばこのときにも、佐藤紀雄氏をお見かけしやした。

 それにしてもこういった現代音楽の演奏会。聴衆の熱気が凄く、独特の雰囲気。んま、啼鵬もかつてはそういった音楽を学んでいたので、今更驚きはしないのですが、今回聴いた6曲、Ligetiの他は全て作曲者が来場。外国からも。それだけでも空気感が全然違いますわね。

 そして肝心の翔君のLigeti。あぁ、この場に啼鵬が居るってコトが奇蹟だ。滅多に聴けるもんじゃありませぬ。演奏頻度云々じゃなくて、普遍的な「音楽」としての体験。有り難う、翔君。

2024年6月24日 (月)

Adam結成10周年コンサート「序」

 最近の日本サックス界の動向も、少しは情報が入ってきているので、彼らの事は知っていました。しかもその世代では群を抜いて人気者だと。んで、期せずして啼鵬編曲の楽譜を提供する事になり、演奏会に行って参りやした。

Adam10th 1曲目からいきなり客席から手拍子が起こり、「なんじゃ、1曲目なのにアンコールみたいなノリは!」と戸惑う啼鵬。彼らの演奏は動画でしか聴いていなくて、結構おちゃらけな動画も。あぁ、末期とは言え、一応昭和世代であるテーホーにはついていけぬ。

 と思っていたのですが、Piazzollaの「Four for Tango」を聴いて、彼らはタダ者では無いと認識。スゴい。弦楽四重奏が原曲で、しかもPiazzolla、と言うかTango独特の奏法満載のこの曲を、Saxophoneで再現するのは、多くを聴いた訳ではないけど、Adamの演奏が頂点かも。Sax Quartetでこれ以上の演奏はないな。オリジナルの弦楽四重奏でも、Tambor pizzicatoやChicharraがちゃんと出せていない輩も多いのに。

 そして啼鵬編曲の「ブエノスアイレスの四季」。いや、そういう曲はありません。Piazzollaは夏だけ作って、後から足したので、正直この春夏秋冬を一気にやるのは、我々タンゴ屋からしてみれば、大分勇気がいること。1曲毎にちゃんと完結して拍手を頂き、きちんとクール・ダウンしてから次の曲を。でないとあの重々しい空気にお客さんもついていけないんじゃ...。

 果たしてAdamの演奏、これには参った。正直聴く前はトルヴェールの真似事で終わると、高をくくっていましたが、明らかに彼らはかなり掘り下げた部分でPiazzollaの音楽を追求。Adamのポテンシャルを感じた瞬間でしたわ。小松亮太君もこういう演奏を聴けば納得するんじゃないかなぁ。っつーか、1曲目とのギャップが...。空気感の変化、ハンパない! これほど振り幅の大きな演奏会も珍しい。

 個人的には宮川彬良さんのスコアによる「私が愛したロイドウェーバー」が感涙もの。曲そのものと言うより、思い出で。アタシのPiazzollaも宮川さんのロイドウェーバーも、四半世紀ほど前に書いたもの。まだ駆け出しだった啼鵬に、いろいろ激励して下さったのが宮川さん。これらの曲が収録されているアルバム「My Favorite Things」を録音していた、東芝EMIのスタジオでの宮川さんとのやりとりを思い出し申した。

 こうして昔のスコアを今の若手が再演。啼鵬も久しぶりに宮川さんのロイドウェーバーを、生演奏で聴いたワケですが、弾き継いでいく事は大事かも知れませぬ。

 それにしてもAdam。今後Piazzollaはどうするのかな。今回たまたまの一過性でも全然イイですわ。「やってみました」的な演奏を遥かに超えた結果を出しているので。偉大な先人、Vive! Saxophone Quartetに続いて追求するも良し。

 あぁ、こういう演奏会を「次世代型」と言うんだろうか。楽譜もタブレット端末だったし...ってとこはどうでも良いですが、明らかに違う、昭和とか90年代とは。もちろん其れは音楽史で見たって、スタイルは変遷するものなので、今後も変わっていくものなのでしょう。

 楽しい時間を有り難うございました。オッサンにはちょっとついていけない部分もありましたが...。サプライズのためには、偽のリハもする! 好きです、そういうの。10周年おめでとうございます。

2024年6月21日 (金)

つくばサロンコンサート Vol.7(6月朝の部)

 このBlogでも時折登場するコンサート。今回のターゲットはChaussonの「詩曲」。

Saloncon20240621 作者の代表曲で、演奏頻度も決して少なくありませぬ。ある意味、フランスものを代表するViolin曲と言っても良いかと。

 しかしながら啼鵬、今まで何度も聴いているにも関わらず、未だにつかめておりませぬ。Piano伴奏版のみならず、オケ版も聴いているのですが...。そもそもがテーホー、やはりドイツ指向で、フランスものに疎い、というのもあるのですが。

 それでも今回改めて聴いてみると、少し入口に立てたかな、という印象。演奏も曲のもつおどろおどろしさに加え、気迫溢れる素晴らしいものでした。更に曲の成り立ちを知り、こりゃ元になったツルゲーネフ作品を読まないと、理解は深まらないかと...。

 いぃや、「理解」とか言っている時点でダメだわな。音楽とは本来「理解」するものではなく「感じる」ものであるべき。そう、李小龍の「Don't think! feel.」ですわ。にしても取り敢えずはツルゲーネフか。それも「初恋」とか「父と子」といった代表作じゃなくて、大分マイナーな作品だ...。

 演奏会はChaussonに加え、DvorakやSchumannの作品も。素敵な時間を有り難うございました。

2024年6月 3日 (月)

ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテット リサイタル Vol.21 結成25周年記念

 前回Vol.20は紀尾井ホール。今回は東京文化会館小ホールと、実はコレ、ギョーカイ的に言うと大変な事です。キャパシティと動員力、とかではなく、そういうホールでリサイタルをするというステイタスの面で。

Vive21st 結成25週年を迎えたVive! Saxophone Quartet。同じメンバーでずっと続ける事の難しさはは、よく分かっているつもりです。

 今回は世界初演が2曲もあり、また以前の委嘱作品も演奏。いつものVive!からすると、大分硬派な内容となっていました。その委嘱作品ライブラリーも33曲だそうな。それも驚異的ですよ。個人的には久しぶりに聴いた長生淳先生の曲、相変わらず内容の濃い作品。30年程前から先生の作品には親しんでおりますが、茨城出身の作曲家としては、池辺晋一郎先生の次世代を担う重要作家ですな。

 そしてメインのPiazzolla。これに関してはもう、何も言うことはありませぬ。格好良さだけでPiazzolla作品を取り上げる世界中の演奏家に、爪の垢を煎じて飲ませてやりたい! 浅利真氏の編曲、伊達じゃぁない! 更にはVive!の演奏もかなり蓄積された研究成果が遺憾なく発揮。

 とても充実した時間でした。有り難うございました。

 

2024年5月24日 (金)

風ぐるま2024−時代を越えて音楽の輪を回す−

 数年前から聴かせて頂いております。TRIO TYDでご一緒しております、Baritone Saxophoneの栃尾克樹さんが所属。恐れ多くも啼鵬、スコアを書かせて頂いたりもしやした(2022年10月18日参照)。

Kazaguruma2024 今回も1曲目のPurcellから唸らされました。通奏低音なので高橋悠治さんの弾かれる左手の旋律と、Baritone Saxはユニゾンなのですが、その響きたるや「Piano & Baritone Sax」ではなく、もはやそういう音色のする1つの楽器!

 また今回は特に思ったのですが、Pianoの音色が非常に特徴的で、「ムジカーザのPianoこんなんだったっけ?」と思ってしまったほど。終演後にわざわざ銘柄を確かめに。Bosendorferでしたが。

 そして後半の高橋さんの新曲。あぁ、「高橋悠治サウンド」だ。研ぎ澄まされた感性から紡ぎ出される、まるで絹糸のような音の連なり。結果が全ての商業音楽の世界で、欲とカネにまみれているテーホーには、身にしみる音楽ですわ。

 今回は風ぐるまオリジナル作品から、高橋さんのChopinまで聴けました。う〜む、今月はこの前の安藤巴君のリサイタルに続き(2024年5月16日参照)、またもの凄いものを聴いてしまった。心が浄化されやした。

2024年5月16日 (木)

安藤巴パーカッションソロ

 かつての啼鵬門下生。と言っても、ほんの一時期和声学を。んなもんで、先生を名乗るなんざぁ、おこがましいにも程があるんですが、その後、打楽器奏者の道を進み、今や大活躍。田中翔一朗君同様「出藍の誉れ」どころじゃありませんな(2016年7月28日参照)。

Andotomo2024 リサイタルの案内を頂き、聴きに行ってきました。なんと音程のある楽器は1つもナシ。打楽器の世界の事は詳しくないですが、そういうのって打楽器的には一般的なんでしょうか。少なくとも啼鵬から見れば挑戦的なステージ。

 そしてその期待を裏切らない、素晴らしい時間でした。もう1曲目からぶっ飛びました。ドイツのJohannes Fischerの作品。打楽器という、主に「点」で響くはずの音が、ロールやトレモロでもないのに、まるで糸のように連なり、様々な楽器の音色によって色彩感が芽生えていました。其れには明確なストーリー性があり、聴いていると「うぉ!きたぁ」という感覚により納得の音楽が形成。ただ途中「手何本あるんだ?」と思うような、物理的に「!?」な響きが。明らかに2本の手だけでは足りない楽器の音色。足も使っていたのかな。後ろに座っていた若者は「阿修羅だ」と言っていました。

 2曲目はスウェーデン出身のHanna Hartmanの作品。最初にPCらしきものを操作していたので、もしや電気的な音も含まれていたのか。しかし其れを感じさせない、全て生音と思えるような響きでした。植木鉢のようなものから伸びている棒を操作すると、様々な音が発信。まるでその植木鉢の中に様々な生き物がいて、チョッカイ出すと鳥がバタバタ騒いだり、小動物がドコドコ動き回ったり、そのような音と共に音楽が進んでいく様子は、寸分たりとも目が離せない、いや1音たりとも逃さずに聴きたい!と、世界に引き込まれましたわ。

 休憩をはさみ、後半は邦人作品。細川俊夫氏の30年ほど前の作品。久しぶりに細川作品を聴きましたが、かつて高校生のときに初めて細川作品に触れたときの感動が蘇りました。少しパフォーマンスも入った演奏だったので、後ろの席の若者は必死に笑いをこらえていました。ダメだなぁ、啼鵬はそういう現代音楽の上から下まで(!?)、様々な免疫がありますが、一般人にとっては滑稽に映るのか...。

 最後は高橋悠治氏の、1988年作とこれまた更に遡った作品。氏の割と最近の作品に親しんでいるので、少し時代を感じさせる響きでした。

 後半はセットもシンプルだった事もあり、前半との対比で「和」を感じた空間でしたねぇ。プログラム構成も素晴らしい。何だか凄い、いやもの凄いものを聴いた、という印象。そして打楽器の演奏会だから、というワケでも無いですが、何百の聴衆が針の落ちる音を聴くような、そんな緊張感のある空間。下手すりゃお客さんの咳払いすら音楽の一部になってしまいかねない状況。イイ、それが良い。演奏家がわずかに叩いた音、擦った音、どんなに小さな音も全て聴衆に届く東京文化会館小ホールで、会場を訪れた人しか体験出来ない音楽。ハッキリ言いますが、テレビとか動画では絶対に伝わりません。

 本当に素晴らしいステージ、有り難うございました。

2024年5月13日 (月)

出番を待ちながら[創作集団真夏座第5回公演]

 大昔、お付き合いのあった劇団。まだ啼鵬は学生。ブレヒト劇の「ハッピーエンド」にミュージシャンとして参加。思えばブレヒト=ヴァイルの世界を知ったきっかけでしたわ。

 その後、現代劇の劇中歌を提供したりしましたが、それっきり付き合いは途絶えてしまいました。昨年主宰者の訃報を新聞で知り、そう言えば今どうしているかなと連絡を。

Manatsuza2024deban そして今回、最新作を拝見。いやぁ、何十年ぶりでしょう、彼らの舞台を観るのは。懐かしさのあまり、目柱が熱くなりました。

 劇団は形を変えながらも存続して、我々観客を魅了しています。あぁ、其れに比べ啼鵬はと言うと、TANGO OGNATをはじめ、開店休業状態のユニットがあるなぁ。甲斐性なし...。

 でもチャンスは虎視眈々と狙っていますので。

 創作集団真夏座、そして賛助出演の皆さん、素晴らしい舞台を有り難うございました。

2024年3月23日 (土)

フォルクローレコンサート 優勝者4人の競演

 同じアルゼンチンの音楽でも、フォルクローレは有名曲をほんの少し知っているだけ。しかもそういう曲は古い曲ばかり。ま、それはそうなんですが、今回聴いたコンサートは、「今の」フォルクローレを聴かせてくれるものでした。

Folklore20240324 「今の」というのは、つまり現在進行形のこと。そういったアーティストの曲が聴けたのですが、一番の収穫はCarlos Moscardiniというアーティストを知った事ですか。

 実は「有名曲をほんの少し知っているだけ」と書きましたが、最近お気に入りのアーティストがいて、その名はCarlos Aguirre。越田太郎丸さんとのセッションで彼の曲をやって、一目惚れ(!?)しました。すぐにアルバムを購入。ただ情報が少なく、一説によるとご家族の介護で、演奏活動もままならないとか...。

 話を戻しましょう。今回のMoscardini。Aguirre同様、今のアルゼンチン音楽を知るにとても心に残りました。しかも近々来日するって言うじゃないですか! あぁ、でもその日は...。

 演奏の方は馴染みの奏者もいたのですが、特筆事項は小林萌里嬢のPercussionかな。あのリズム感、そしてフォルクローレにおけるフィーリング。改めて彼女のセンスに感心し申した。

 そう言えばArt BlakeyはPianoからDrumsに転向。Jack DeJohnetteも鍵盤は相当な腕前。やはりPianoと打楽器は共通の何かがあるのか。まぁ、萌里嬢が打楽器に転向ってのは考えにくいし、そうなると啼鵬も困るのですが、今後も打楽器の方も腕を磨いていって二刀流に!

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